2本のビニール傘
それは突然だった。
コンビニから出てきて、数分前に確かにあったはずの傘がなくなっているのだ。
お気に入りでも何でもない、ただのビニール傘だ。
似たよう背格好のビニール傘も3本あったが、これらではないとはっきりわかる。
雨だからと駆け込んでお店に入ったので記憶は定かではない。でも自分のではないとはっきりわかる。
それはいつもの左側真ん中端に入れていたから。
これが無意識で行われたとしても「私の傘」たらしめていたからだ。
降り続く雨、呆然としながらも一旦コンビニに戻る。
雨の日に少しだけいつもより主張した傘売り場コーナー
持っていた傘と同じ色と形をしたビニール傘が何本も並んで活躍の出番を待っている。
値札をそっと覗く。【¥600】
「昔は300円で買えてたのになぁ…」
狭い店内で思い出に浸りながら新しい相棒を手にとりレジで支払う。
店員さんがその場でビニール傘のビニール袋を外してくれる。
特に会話もなかったが『すぐに使うんだろ?』と言われているようでなぜか恥ずかしくなる。
実際、すぐに使うのでありがたい対応でしかない。
脳内で勝手に恩を仇で返し、罪悪感を感じながらも「ありがとうございます。」と
お礼をして逃げるように店を出て車へ駆け込む。
車内で少し乱れた呼吸を整える。
気づいたら傘は閉じたままだった。
…まあいいか。
そう思いながら助手席に未使用の傘を置こうとしたその時、目に飛び込んだ事実に思い出す
それは
傘 を さ さ ず に コ ン ビ ニ へ 駆 け 込 ん だ こ と …
最近では同じビニール傘でもシールや小物で差別化している商品もたくさん出ているようですが、
個人的にはあの無地で似通ったビニール傘の、あの存在感、取り扱われ方がどうしようもなく好きなんですよねー。
個性のないビニール傘のアイデンティティ…エモくないですか!?
わかる人がいるかどうかはわかりませんが…そんな私にもはっきりとわかることがあります。
それは
こ こ の お 知 ら せ の 記 事 に 載 せ る べ き 内 容 で な い と い う こ と
来年度から真面目に取り組みます!!
(信頼度★★☆☆☆)